鈴木裕樹 30分 TVドラマ
戦隊ヒーローたちが元禄時代へタイムスリップし、吉良上野介に憑依した敵を倒すため赤穂浪士の討ち入り前に吉良邸へ潜入するというストーリー。子供向け番組、しかも2007年の放送枠で忠臣蔵パロディを展開するあたり、完全に大人の特撮・時代劇ファンを狙い撃ちした作風で非常にこだわりを感じる作品だった。
序盤で刃傷事件の大まかな流れを説明するシーンではイラストが流れ、浅野内匠頭の辞世の句までさり気なく挿入される丁寧な作り。パロディでありながら時代劇への敬意と時代考証のこだわりが詰まっている。
さらに驚いたのが、吉良家の剣豪・清水一学役に「5万回斬られた男」として知られる福本清三先生が起用されていたこと。時代劇でおなじみの顔だけに、画面に映った瞬間にテンションが上がってしまった。二刀流で殺陣を披露する姿が本当にかっこいい。
タイトル通り、ヒーローたちが討ち入り装束に身を包みながらも「刀は慣れない!」と途中で刀を投げ捨て、結局素手のカンフーで吉良家の家臣たちをなぎ倒し始める展開には思わず笑ってしまった。
ヒーローたちが戦った時点では吉良殿も家臣たちも命までは奪われていないものの、この直後に本物の赤穂浪士たちによる本当の討ち入りが控えていることを考えると、「吉良家の人たちは連続で戦わされて踏んだり蹴ったりだな…」と変なと同情を覚えてしまうのもご愛嬌。時代劇ファンも特撮ファンも大満足の屈指の名エピソードだった。
