阪東妻三郎 50 分 映画
個人的に「中山安兵衛」時代といえば、やっぱり阪東妻三郎さん演じる安兵衛のイメージが真っ先に浮かぶ!
戦後に短縮・再編集された版のためか「堀部家への婿入り」のエピソードは詳しく描かれないまま決闘へとなだれ込んで終わってしまうけれど、弥兵衛さんのズッ友として小野寺十内が登場する展開が面白い。弥兵衛さんがまだ素性を知らない安兵衛とすれ違った際、十内さんに向かって「あんな奴だけは娘の婿には絶対しない!」と断言していたシーンには思わず笑ってしまった。
作中の安兵衛の殺陣も最高で、酔っ払ってフラフラになりながらも敵さん(決闘相手ではない)を星に見立てて、倒すたびに「一番星消えた」「二番星消えた」と愉快に呟くのがたのしい。酒で千鳥足になっているかと思えば、次の瞬間には突然俊敏な太刀筋で斬り込んでいく緩急の繰り返しがとにかく爽快!
長屋の面々も他のどの忠臣蔵作品より独特で存在感がある。バンツマさんが高田の馬場へ疾走するシーンがものすごく長く描かれているのに、そのあとを軽々と追いかけて何食わぬ顔で決闘を応援している長屋メンバーたちのタフさには驚かされる。殺陣のシーン自体もかなり長く、長屋の面々や野次馬の大声援に控えめなBGMが重なる演出が、抜群の臨場感を生み出していた。
そして必殺シリーズ『助け人走る』でこのバンツマ版が作中に使われ、実の息子である田村高廣さんがバンツマさん演じる安兵衛を見て「どこかで見た顔だ」と呟くシーンが超絶メタで最高に好き!あまりにも可愛すぎる演出にニヤニヤが止まらない。
