尾上松緑 他 60分 歌舞伎
芸術祭十月大歌舞伎で初の試み、歌舞伎版、荒川十太夫!先立って9月末に「神田松鯉・神田伯山 歌舞伎座特撰講談会」も行われました。約100年ぶりに、歌舞伎座に講談師が立ったビッグイベントでした(感想はこちら)🥲
歌舞伎版荒川十太夫、良かったです。講談で聴いて頭で作り上げていた「映像」がそのまま舞台上に映し出された感じ。今まで作品化された荒川十太夫は、知る限りでは上島カンナさんの「誉の三百石」(漫画)、「ChuSingura46+1 武士の鼓動 アナザーストーリー」の「誉れの三百石」(ゲーム)だったのだけれど、そこに歌舞伎「荒川十太夫」が追加された喜び!来年以降も上演されたら嬉しいな。
まず大道具さんのセットが素晴らしかった。歌舞伎座で「泉岳寺」が拝めるのがたまらない…!回り舞台で門前から、墓場に切り替わる。松平家お預かり組の10人分+ご家老のお墓が用意されていた。よく見ると、戒名も全員正しいんですよ…ガン見してきた…芸が細かい…。大石父子と安兵衛殿だけは芝居上配置が異なっていたけど、それ以外ほぼ忠実に再現されている。本当の泉岳寺で芝居を観ているような臨場感。熱い…!
十太夫が身分を偽った訳を話す回想場面の見せ方が上手くて泣いちゃいました。十太夫自身が介錯をするのは冒頭の数十秒。あとから回想で使うんで大事な冒頭。他の人はただの円のスポットライトなのに、梅の木の下にいるように安兵衛殿に当てられたスポットライトがキレイ…。文句なしの美しい演目でした。