2023年4月に明治座公演「絵本合法衢」を観てきました。
特に忠臣蔵以外の演目の感想はTwitter以外で記録に残すことは殆どないのですが、あまりにも忠臣蔵オマージュが素晴らしかったので記事にしました。
いくら鶴屋南北の作品とはいえ、歌舞伎そのものにハマらなければ観ることはなかったであろう絵本合法衢。種之助さんのお亀ちゃんは可愛いし忠臣蔵要素もあって最高のひと時でした。
胸糞悪い話なのに粋な脚本で、絶対に好き嫌い分かれると思いますが、私は鶴屋南北とは気が合います。好きです─。
そもそも劇中(花道でのお喋り)で「忠臣蔵」というワードが出てきたのですが、それはもう色々なところに忠臣蔵オマージュが散りばめられていました。特に分かりやすいと思ったのが、おりよさんを殺して五十両を盗む場面。そしてお亀が身売りをされる場面。
本家(仲蔵形)はたった一言思い声色で「五十両…」ですが、こちら、ノリが軽い「五十両~!w」で差がすごい(笑)。この五十両も身売りに繋がっていて、この流れは忠臣蔵でも特に有名な五・六段目なので楽しいです。
わたしは種之助さんのお亀を目的に行ったのですが、まさかの、お亀を通して種之助さんのお軽を楽しめるなんて聞いてなくて嬉し泣き。二度美味しかったです。歌昇さんの頼りなさそうな与兵衛が渋り、中々お別れできずに泣いているところを強制的に離され、与兵衛が呼び止め、抱き合い、駕籠に押し込められ去っていくところすべてが六段目でした。あそこは役者も六段目として演じられてるのでは─?
深読みしてしまいお米(千之助さん)が二階に閉じ込められているところを梯子でおろしてあげる孫七(歌之助さん)なんかは七段目意識なのかな、なんて思いましたが、そこは違うかな(笑)。この二人もねえ、出番はここのみだったけれどキレイな殺され方で、「死の構図」が、南北すぎました。二人の死体が重なるので。
歌昇さん、フルボッコにされますが苦しみ方がリアルで苦しい…。でも台詞を聞いていると「お亀と同じ痛めつけ方」ということが分かったので、この歌昇さん与兵衛の痛がり方から、お亀の痛みまで味わえてしまうのが皮肉で憎たらしいです。もう、身売り後に出てくるお亀は亡霊になっているので…。彼女の死を直接描かずに、与兵衛を使ってお亀殺しまで再現するなんて好み過ぎて100点でも足りません💯。
亡霊のお亀が先ほどまでのあざと可愛いお亀から一変して大層色っぺくなられててゾクゾクしました。(ここで「四谷怪談のお岩を種之助さんで観たいな🤔」と思う)
ただ一瞬舞台が真っ暗になって、その間に亡霊お亀が捌ける演出だったのですが、明るくなった瞬間に種之助さんが舞台裏に隠れる足先が見えてしまい、暖簾もふんわり動いてたのですごく焦りました(笑)。タイミング難しいよね~。
うんざりお松を井戸に突き落として、あくびをしている太平次を見せられながら幕間になったの胸糞悪ッ!!!!!好き!!!行きの道中にスマホで予習してたのですが、忠臣蔵(赤穂事件含む)オタクとしては役名も忠臣蔵関連者と似ている人が多くて、覚えやすかったです。これはたまたまなんでしょうね。大学之助(弟で覚えた)とか松浦玄蕃(太鼓と俵星で覚えた)とか瀬左衛門(大石で覚えた)とか。
いやあ…種之助さん…可愛かったなあ~~~~~(ブロマイド購入済)
終