忠臣蔵ではないけど赤穂事件関係者を扱っていたため視聴(転勤先で起こる事件を解決する新聞記者のお話)。現代の米沢で殺人事件が起きるが、殺害された者は槍で腹を突かれ死亡、その人のポケットから「新貝弥七郎見参」と書かれた紙が見つかる。個人的に吉良家の家臣は特に米沢から来た人が好きなので「米沢舞台」だけでそこそこ楽しかったと思うけど、犯人が「新貝弥七郎」と名乗っているのが、また面白い所を注目してきて好感度がアップ。正直「新貝弥七郎」の名前を出さなくてもストーリーは成り立ちそうだな、とは思ったけど、せっかく米沢舞台だし色々絡めてきたのだろう。いや、「新貝弥七郎」が謎めいていて逆にいいのかもしれない。それにしても、米沢といえば有名な歴史上の人物が多くいるのに、その中では少し知名度の下がる新貝さんを出してきたのが素晴らしい。
自分が初めて新貝さんのお墓参りをしに林泉寺に行った時に案内役の人に「昔ここが(忠臣蔵の?)撮影に使われた」云々言っていた気がするのだけど、この作品だったのか…?と今更ながら思い至った(忠臣蔵の撮影と言っていた記憶があるから違うかも知れないけど一応赤穂事件の概要はドラマで説明しているからそうかもしれない)。このドラマ、ガッツリ新貝さんのお墓の目の前でカメラを回していて、新貝さんのお墓の案内板は鮮明に映っていた。お墓本体は米沢の大雪に埋もれていたから殆ど確認できず(笑)。彼のお墓の周りの雪を退けているシーンが撮られていました。
それから、事件の鍵となるものとして「紅花」が出てきたのも米沢ならではのお花だった。すぐに「紅花染めのことか!」と気づいてテンションが上がる。また、役者さんも多くの人が米沢弁を使っており心がとてもほっこりした。あったかい言葉大好き。そしてドラマ中何度も新貝さんの名前が出てきたけど、「米沢から吉良邸に行ってしまったから序でに殺されてしまった、貧乏くじを引いた不運な人」という立ち位置で、やはり多くの人は米沢から来た家臣は「可哀想な人」という見方をするのだろうなと改めて感じた。自分も正直山吉さんや新貝さんらは「貧乏くじを引いた」という言葉がしっくりきてしまうのだけれど。「立派に散り歴史に名を残した人」とも言えるけどそれで片付けるわけにはいかない人らじゃないかなあと、たまに、考えることがある。
因みに「腹で槍を突かれたのは新貝弥七郎さんなのに何故槍で人を殺した犯人が『新貝弥七郎』を名乗るんだ」とは誰もが謎に思うかもしれないけど、それは事件を解決するお話なのであとはご覧になれば分かる。吉良家の目立たない忠義者に注目した中々いい線いってるお話でした。最後に水谷さんわっか(1995年)!