1999年 元禄繚乱

4.0
中村勘九郎  全49話  TVドラマ(大河)

大石さんと柳沢さんと色部さんがメインの忠臣蔵。

始めは幕閣メインだがすんなり入り込めて飽きもなく見ていたらいつの間にか忠臣蔵になっていた。特徴は染子(柳沢の側室)に岡島という男を関わらせて、この男を寺坂み見立てて討ち入りまで参加させる点。このため寺坂が討ち入り前に退場してしまうのが残念だった(最終回で再登場する)。大石さん役の勘九郎さんがとてもいい演技で、個人的に理想像に近い大石さんだった。おそらくアドリブと思われる台詞に何度かクスッとさせてもらった。それから綱吉も狂った将軍を演じきっていて最高だった。幼少期から成人女性まで演じた阿久利さんも上手くて、幼少期の無邪気さと成人後の冷静さと女らしさを演じ分けていて素晴らしかった。

三平さんの切腹回「辞世の句」は泣いた。俳句仲間の神崎さんを出してきて、仲間を思い切り泣かせるのは反則だった。切腹前に定期的に青空を映すのもズルい演出…よくできていた。

「定番」はスルーするのかと思いきや「恋の絵図面取り」はやっていた。あのテンポで突然の定番だったため、ちょっとアレンジを加えるか少し史実になぞらえてもよかったなあと思う。所謂「南部坂雪の別れ」もスパイには警戒するけど実際にスパイはいないし簡単に終わらせていてよかったし。絵図面取りあたりで殆ど出番がない潮田さんとかをそろそろ出してあげてほしい。(笑)

吉良殿も癖のあるちょっと嫌味ったらしいキャラだったけど、富子さまが討ち入り後に吉良邸屋敷を見回る姿を映すことで吉良家の不遇さも描き、吉良家への配慮がされていたように思う。当主の左兵衛くんは赤穂側の右衛門七くんと仲良し設定。ほかの作品でいう安兵衛と清水くん的なもの。若者同士の敵友も新鮮でよかった。そろそろ山吉さんと近松さんバージョンが出てくることを切に願う(テヘ)。