映画「決算!忠臣蔵」のノベライズが本日9月28日に発売されたので、即購入し、即読了。
本当は後でゆっくり読もうと思っていたのだけど、冒頭の主要登場人物一覧に「倉l橋l伝l助」や「茅l野l和l助」といったちょっと珍しいんじゃな~い!?というメンバーがいたのに興奮したのと、パラパラ確認したところ近松さん💚が喋っていることが確認できたのとで、我慢できず読んでしまった。そして発売当日にも関わらずこれから感想を書き始めようとしています。
※ここからかなりネタバレを含む内容となりますのでご注意下さい※
忠臣蔵では、「浅野側VS吉良側」ではなく、赤穂藩内での対立を描くならば、決まって「急進派VS穏健派」だけど、今回はどちらかというと藩内の役職柄の違いによってプチ対立が起きる。「番方VS役方」であった。この時点で普通の忠臣蔵とは注目するところが違っていて楽しかった。こういった役職柄から起こる意見の食い違いを描くとしたら算盤が似合う元禄武士・大l野九l郎l兵l衛さんが一方的に悪役になりがちだけど、これはまた話が違う。
悪役が頻繁に出る話ではないけど、藩内だけで面白おかしく対立させているため、ここがポイントなんでしょうね。小説版では浅野内匠頭刃傷・切腹シーンはすべてカットだったので吉良上野介も出ないし、もちろん吉良が悪役ではない。現代の考えを配慮されているのかなあ、忠臣蔵が作りにくくなってきたので。予告では刃傷切腹はあるっぽいけど、吉良さんはキャスティングされているのか未だに謎ですね。この調子だと恐らく討ち入りシーンも無さそうだし、吉良無しでいくか、大物持ってくるかのどちらかでしょうか。
【近松さん】
まず、近松さんチェックから入りましょう。
小説版では3回も喋っています(関西弁)。しかもその3度の台詞、一場面で3回喋るのではなく、全て場面が異なる。それに加えて、喋りはしなかったけど近松さんの動作を表現している場面もあり、小説版では少なくとも4回は登場する。この、喋らないけど居ることが分かる場面とは、吉田さんと一緒に江戸に下って暴走安兵衛サンを鎮撫するところでした。ドラマでは吉田さんだけが出てきて近松さんの存在がカットされがちな、私の大好きな近松さんの重大なお仕事シーンの一つなので嬉しいです…。ちゃんと江戸に下ってお仕事してる…(因みにもう一つ私の大好きな重大お仕事を発表すると、高野山に上って亡き主君の墓を建立する仕事です。♡)
あと一回お名前が登場したので、これは映像化されてるか微妙だけど運が良ければ5回確認できる。
後書きを読むと、「前原さんや倉橋さん、神崎さんが活躍する所など、映画で泣く泣くカットした場面があったため、映画で描けなかった場面は小説に加えた」、とあるので全てが映画で表現されるわけではない、ということから確実に4回出るとは断定出来ないけど、まあ、ほぼほぼ出るんじゃあないでしょうか。ああ、映画見に行く心構えが変わった。面白さ半減しちゃうかなあと思ったけど、やっぱり先に読んでよかった~!笑
割としっかり出ちゃうと、返って理想の近松さんとの差が大きく生まれて「この近松さん解釈違い!!(過激派)」と面倒くさいオタク心が膨れ上がる可能性があるので、このくらいの回数が一番丁度いいです♡いや、今回はちょっと贅沢しすぎなくらいかな?
本当は理想に近い近松さんがガンガン出演する作品が一番だけどそんなうまい話は無いのでチラッと喋ってくれるのがとても嬉しいです。それで、近松さん、「米沢」という単語を口にしていて、吉良側での御贔屓が山吉さんの私は彼の出身地を口にする近松さんに興奮した次第です。
近松さんのお話はこれくらいしにしておいて、他の登場人物について。
【菅谷さん】
映画の予告を見る限り、多分一番好きなキャラになりそうだなあ、と思ったのが、菅l谷半l之丞さんなのだけど、小説読む限りやっぱり好きだ。冷静キャラにハマり易いので、まんまとやられました。淡々と喋る感じ、嫌いじゃない。近松さんも兵学にはかなり強かったので、いつか誰かがそれに注目して今回の菅谷キャラを気持ち柔らかくした感じで兵法担当やってくんないかな。まあ、発表第二弾の段階で菅谷さんが発表されたのはかなり驚いたとともに一番期待していた人だけど、上手く使ってると思います。菅谷さん、ほんっとうに大出世した…!最初に強い印象を残しておき、一度去り、最後の仕上げと言わんばかりに再登場するタイプだったけど、クローズアップされないメンバーが主要キャラになるのめちゃくちゃ嬉゛じい゛…!しかも妻夫木。
【大高さん】
今回の主人公の一人、長助さんより登場回数多いのでは…?
珍しいキャラが出てくることで期待が高まった作品ではあるけど、忠臣蔵では絶対欠かせない大l高源l五さんの人物像が予想外だし今までにない大高源五なので、一番意表を突かせて来ている。どの忠臣蔵でも文人キャラだし、決算!忠臣蔵でも典型的な文人だけど、他のとは全然違う。ああ、やっぱり美味しいところを持っていくのはいつもゲンゴだなあ。彼が欠かせないのは変わらなかった。これ、濱田さんというキャスティング正解だわ、楽しみすぎる。何だろうなあ、長助さん、思ったより出なかったし、ゲンゴがもう一人の主人公感がある。
【貝賀さん】
SNSでの告知なしで突然人物相関図に掲載された四十七士が貝賀さん、三村さんの二人。「ああ、大高さんとペア組んで神文返しさせるのに必要だから載せたのかしら」なんて思っていたら算盤弾くめちゃくちゃ重要なキャラだった。何故もっと告知してあげないのレベル。正直、長助が途中でリタイアしちゃうので仕方ないけど、リタイア後の長助の代わり的な役なので、長助より印象が強い。四十七士における兄弟は兄の方がどうしても目立ちがちだし、原・岡嶋兄弟以外にどっちもガッツリ出る作品ってあんまりないよな~、と感じていたけど、これは吉田・貝賀兄弟どちらも大活躍。あとがきにて、「なるべく史実に忠実にしたけど、嘘をついたのは貝l賀l弥左l衛門」とあるくらい、自由に動かされてます。お金の面で苦労する貝賀さん可愛いです。あと、「内蔵助の側に付かず離れずいてほしい、けど、実際に内蔵助に同行したのは近l松l勘六や菅谷。(だから、貝賀は嘘をついた)」と書いてあって、これ上手くいけばもっと近松さんも動かしてもらえたのかもな!!残念!今回は貝賀さんに譲ります。近松さんは明らかに算盤担当ではないので…
【和助さん】
「菅谷さんを一番好きになる自信しかない」と思っていたけど、ごめんなさい、決算!忠臣蔵の推しは茅l野和l助さんです!!!
そもそも、和助さんが出る作品自体珍しくて世界が驚き、希少価値がある作品なのだけど(私が勝手にそう感じているだけです)、そんな和助さんをちゃんと出してくれた作品は1971年の三船版忠臣蔵くらいだと思うから、48年ぶりに和l助さんが活躍する!!!和助さんがちゃんと出るならば全人類が見るしかない。しかもとても泣けるシーンを担当しているし、彼の台詞が、実際に彼が手紙に残した言葉を使っていて、非常に感動しました。最初見覚えがあるフレーズだったのでどっかの作品でも使われたか?と思ったけど、数秒考えて「そうだ、これ、和助さんの暇乞いの手紙の一部だ」と気付いて鳥肌が立ちました。こういう細かいところを拾ってくれるの、素敵です。コメディだけど注目する場所が面白いし、好感度高いです。
この台詞が使われた理由は簡単に想像できます。決算!忠臣蔵の原作をお書きになった山本先生、茅野和助のこの手紙がお好きらしいです。2017年11月に港区歴史フォーラムに参加した際に仰ってました。この小説の最後に山本先生の文章があったけど、そこにも書いてあったので多分一番お好きなのでしょうね。茅野さんとペアを組ませるなら絶対に神崎さんという決まりがあると思うけど(コアな忠臣蔵ファンの方なら同感してくださると信じている)、神崎さんは和助さんと違って忠臣蔵ではよく出るので中々ペアになっているのが拝めないのが残念だけど、菅谷さんがペアで名前を呼んでくれた居たのはありがたいです…うふふ。茅野さんはいつもニコニコ笑顔を絶やさないキャラという設定らしく、思わず「可愛いなあ~~♡」と独り言を呟いてしまったのだけど、映像版で役者さんがどういう笑顔を見せてくれるか期待です。そして笑顔キャラに泣けるシーン担当させるのもイイわ~監督!!
【伝ちゃん】
偉い!!!!倉橋伝助さんが前原さんの所で一時期一緒に商売してたエピソード拾ってきてくれてる!!そんで商売繁盛して「割賦金いりません」と言って内蔵助驚かせてるの可愛いなあ!内蔵助も「おまえら(前原・倉橋)は、ほんまに、えらい……」と。ラスト付近にも出てきたけど、内蔵助さん、心の中で前原倉橋セットを褒め称えているのが非常に面白い(笑)。でも思ったよりは出なかったかなあ、しかも映画版で泣く泣くカットしたというので、映画の伝ちゃんシーンはあまり期待しないでおこう。。。
【若者たち】
SNSで情報解禁ということで村l松政l右衛l門役の方が告知されていて「え?三太夫ではなく?政右衛門?出るの?」とかなり驚いたのだけど、大人の事情に近いお金のお話の中、主税や右衛門七含め、若者たちが必死に考えて必死に大人に付いていく姿が描かれていました。政が出ることを知り、きっと間瀬l定八・吉田l伝内・中村l忠三郎も出るのだろうと思ったけどやはりここはセットになっていて、これ、彼らが討ち入らない、討ち入りできない話を映像で見たらきっと泣いてしまうだろうなあ、と思った。こういうところも描いたのかあ、ただただ驚きと感動でいっぱい。あと、十次郎の方もSNSで告知されていて、「うーん?討ち入りシーンまでやるのかな?」と思ったけどやりませんでした(笑)。十次郎も彼らと一緒に若者組として必死に生きていました。楽しみだなあ。それから内蔵助パパが元服前の主税(=松之丞)くんのことを「松」と呼んでたの可愛い~!松呼びは他ではあんまり見かけないねえ。うわーん。近松さんのことも一回くらいは「松」と呼んでほしい(?)
御贔屓近松さん事情+珍しいキャラ+定番だけどキャラが違いすぎる大高さんに絞って感想を書かせて頂きました。
告知映像での台詞、高い確率で小説版で拾えました。内蔵助の舌打ちシーンとかも、文字で読むだけでは何とも思わなかっただろうけど、あの告知映像があったからめちゃくちゃ笑えたので、映画、非常に楽しみにしております。因みにあの舌打ちは、早水さんに対してカナ?と想像してましたが、予想通り、早水さんでした(笑)
内蔵助さんは「なんでやねん!」が口癖のようです。恐らく何回か出てくる台詞だと思うので、堤さんの言い方の違いにも注目です。
❖2019.9.28 夜追記
耐えられず落書きしました。作中の台詞丸々引用しているのでご注意ください。