2006年 PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場

3.0
市川 染五郎  140分  歌舞伎

脚本は三谷幸喜。タイトルからお察しの通り中山姓時代の安兵衛さんのお話。長屋のみんなとの和やかなエンターテインメント。長屋の面子はよく見る婆さんや医者や喧嘩の絶えない夫婦が多い。外部の人間で高田馬場まで一緒に駆け抜ける仲間に、安兵衛の旧友の「武士」を入れてきたのがちょっといい感じ。この武士(亀治郎 ※4代目猿之助)が何だかちょっぴり空気が読めなくて、キャラが濃い。何なら染五郎さんより亀治郎さんの方が見得が多かったようにも思う(笑)。

ストーリーはいつもの安兵衛の話をベースに三谷流にアレンジしていた。少し物足りなさというか、旧友の武士が良過ぎてそれ以外にパンチが効いていないように感じる。でもストーリーは二の次。役者全員が素晴らしかったし、何より高田馬場に駆けつけるまでの場面転換が猛スピードで切り替わっており、飽きない。染五郎さんと亀治郎さんは各々「中津川祐範」、「村上庄左衛門」も担当しているため、早替りが楽しめる!後半は回り舞台を用いずに、幕を頻繁に引いてアップテンポに転換される。役者は相当大変だろうけど、このテンポの良さは見応えばっちり。満足。