キャスト総入替えだけど2019年版の続編。前作があまりハマらなかったけど、今回は引き込まれた!
忠臣蔵は勅使饗応から始まる話ではあるけれど、天皇側についてはあまり描かれないのが通例。ここに触れるというちょっと攻めた構成のため、やっぱり初心者は置いていかれがちな印象はあるかな🤔
史実通りの兵法に熱心的な近松さんも登場💕
知識前提なセリフが多くて、近松さんの口から山鹿流、さらには大石さんが京都で学んでいた伊藤仁斎のエピソードまで盛り込んでくるという、学識爆発系構成。門左衛門が登場する忠臣蔵ではおなじみの「碁盤太平記」も、背景知識がないとピンとこないかも。
浅野と吉良の描き方もユニークで、最初はまるで漫才コンビみたいな仲良し(?)な関係から始まるのがかわいかった。
だけど刃傷事件は描かねばならないわけで、この2人をどう落とし込むのかと思っていたら
途中の不和は飛ばして、いきなり形相を変えた浅野が刃傷に及ぶという展開に。
二枚目な浅野が辱められてブチ切れる——という形は、忠臣蔵を見慣れていれば納得できる流れで、これはこれでアリかなと。浅野さんのビジュアルがとにかく美しくて、お衣装の色合いも髪型も好きでした〜😍
そして、近松さん!!
今回は登場人物が6人だけ(近松×2、大石、浅野、吉良、竹本義太夫)だったにも関わらず、「堀部安兵衛」や「高田郡兵衛」の名前をさりげなく拾ってくれて、忠臣蔵としてしっかり息づいている感じがして嬉しかった☺️
大石さんに従順な姿勢も、実際の近松さんの記録に沿ったキャラクター作りがされていて納得感あり。
台詞は難しめで、ちょっとハラハラしながら見守るタイプの近松さんだったけれど(笑)、アドリブタイムもあり楽しかったです。アイスクリーム(元禄とは)をめちゃくちゃレロレロする大石さんの横で
大真面目な台詞を言えた近松さんえらい!しかもクリーム側を持っちゃう近松さん、面白すぎてずるい。かわいい。
あと、大石さんが辞世の句として「あら楽し 思ひは晴るる身は捨つる〜」を詠んでおいて、突然 源実朝の歌を詠み出したのには笑いました。雪という共通点しかなくない!?😂
生演奏の迫力も素晴らしかったし、耳心地が良くて浸れました。
脚本自体はしっかり忠臣蔵に準じていて、やはり「背景を知らないと少し置いていかれる」感じはあったけど、個人的にはそこも含めて楽しかったです。
仕方なく討ち入りに向かう大石像はビートたけし版などでもお馴染みだし、そこに若き近松さんがスパイスのように効いていて、知と情の交錯が舞台を彩る構成が見事。門左衛門によって芝居に昇華されていく流れも、道理としてしっくりきて、気持ちよく幕を下ろせるエンディングでした。
