2023年 俵星玄蕃(新作歌舞伎)

3.0
尾上松緑 他  90分  歌舞伎

2022年の荒川十太夫に続き、十二月大歌舞伎で俵星玄蕃が歌舞伎になりました。

山鹿素行の名前が何回も出て来た(甚五右衛門という名前まで)ので、玄蕃がハッとする「一打ち二打ち三流れ」の山鹿流の陣太鼓への伏線でしょうね。名前だけはよく出る忠臣蔵キャラ上位だよね。
青虎さんの藤馬が、門弟らしい柔らかい口調で、お声が優しくて心地が良かった。普段から玄蕃に振り回されていることがよ〜く伝わる苦労人☺(藤馬が予想通りの内弟子ポジションでよかったです。この名前で吉良側のキャラになる作品もあるので。)

松坂町〜!」とか「蕎麦屋か〜!」とか「サクサク」とか、後半になると講談や三波春夫先生を意識した台詞が増えてくるので、元ネタを知っていると、とっても楽しい。
杉野と玄蕃の出会いや槍の指南の場面はなかった。玄蕃が上杉に言い寄られる部分は無くて、その後赤穂に惚れ込む場面もほぼ描かれなかったので、ここら辺の端折りは只管玄蕃の気持ちを汲み取る国語のお授業です。因みに忠臣蔵(時代劇)だと、藤馬が病に罹って、その治療費のために上杉に士官するという門弟思いの玄蕃が描かれることとかあるので感情移入できる。娘っ子が出てきたらまた違う理由になる。

加賀藩に化けた吉之丞さんと橘太郎さんの赤松(村松)、原(三村)のコンビがかわいい〜!原氏が怒って、最終的に赤松が使ってたおざぶに原氏が座っているのが面白すぎた🤣きゃわきゃわ。意外なのは重役担ったのが村松喜兵衛さんではなく、三太夫くんなこと。どうして彼をチョイスしたのだろう。杉野くんと歳が近いキャラも入れたのかな🤭かわいいね、歌舞伎で観るお真面目三太夫くん。
吉田さんに「粗忽」と言われるチャーミングも三村さんよかったなあ。これは武林唯七が出てきてたら絶対萌え萌えしちゃうやつ〜。「吉田さまとその部下たち」の癒しの構図がステキな四十七士でした⛄️
大立回り、俵が飛んだぞ!時代劇で観る俵星玄蕃の俵飛ばしは自然だけど、舞台上だと演出が大胆で楽しいです!七月(菊宴月白波)は瓦が飛び、十二月(俵星玄蕃)は俵が飛ぶ♡

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討ち入り日に合わせて観に行きました♡