1937年 血煙高田の馬場 ※戦後改題「決闘高田の馬場」

5.0
阪東妻三郎  50 分  映画

個人的に中山姓時代の安兵衛といえば、バンツマのこの安兵衛さんが出てくる。

戦後に短縮された作品のためか「堀部家への婿入り」の話はあまり詳しく描かれぬまま決闘して終わる。でも弥兵衛さんのズッ友として小野寺十内さ んが出てくる? 弥兵衛さんがまだ素性を知らない安兵衛殿とすれ違って十内さんに「あんな奴だけは娘の婿にはしない」と断言していたのが笑 える。

酔ってフラフラになりつつも、敵さん(決闘相手ではない)を「星」に例えて倒すたびに愉快に「一番星消えた」「二番星消えた」と呟く。酒のせいで千鳥足 になったかと思えば突然俊敏な太刀筋で斬り込んでいく、という繰り返しが爽快。長屋の面子もどこの作品よりも独特な気がする。しかも、バンツマが高田の馬 場に駆け付けるシーンがものすごく長かったのに、軽々と後を追って何食わぬ顔で決闘を応援している長屋メンバー。強い。殺陣シーンがものすごく長くて、長 屋面子+野次馬の声援に、控えめなBGMを加えているだけで、臨場感があった。