猿之助さんが主宰する演劇プロジェクトでのお芝居。今回は堀部安兵衛がテーマだったので、観劇。前回の「森の石松」の続編ということで初見で大丈夫かな?と思ったものの、インスタライブで「初めて観る方でも大丈夫」と仰ってたので、チケット発売日当日に無意識に買ってた(笑)実際、芝居の冒頭で「森の石松」のダイジェストを見せてくれたので背景は何となく分かったし問題なかった🙆♀️
猿之助さんが関わっているということで、少し三谷幸喜の「PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場」に寄せた感じがする。それから三波春夫の「元禄桜吹雪 決闘高田の馬場」の台詞も持って来ててテンションぶち上った。過去の作品をオマージュした無難なストーリー。三谷幸喜の高田馬場では猿之助さん(当時亀治郎)が演じた旧友の武士が好きだったけど、今回も菅野叔父の家来がイイ感じ。突然今まで自分と無関係であった「長屋」という別世界に放り込まれた「堅物武士」がわたしの好みだったみたい(笑)。
面白かったのが中津川祐見が安兵衛の仲間に回されていたこと!初めの安兵衛&祐見のやりとりから、ココも池波正太郎の「堀部安兵衛」を意識して中津川を安兵衛に絡ませた雰囲気があったけれど、まさか最後安兵衛側になるなんて!HAPPY祐見だな。しかもお前新発田から来たん!?安兵衛のストーカーじゃん!そして菅野叔父、決闘より前に安兵衛を説得さるため自害しようとする!安兵衛折れる。少し腹を斬ってしまった叔父に「傷は浅おございます」と強く深く安兵衛が言ってて「これは完全なフラグじゃん…」と思わせる場面。結末を知っている人間はこの台詞苦しいな・・・。実際、最期に「今回の傷は深い」と叔父上自身が言ってた。安兵衛が励ますためにもう一度同じセリフを言うのものかと思ってたけど。
コロナ禍になって暫く大きな劇場にしか行っていなかったため(歌舞伎舞踊を除く)、ちょっと8000円は高いかなあ~と思ったものの、久々に客席との距離が近く感じるお芝居を観られてそれだけで満足だったかもしれない。今回は役者より演目重視で行ったので、ハズレだったら悔しいな!!と思ったけど小さい箱で楽しい空間だったので満足感を得られた。最近ずっと生演奏ばかり聴いてたので音響に違和感を覚えつつ、「こんな感じだったなあ…」と懐かしく感じる(*´ω`)。ただステージがコンパクトなためか安兵衛の駆け付けはほぼ省略だったので、PARCO歌舞伎を思い出した身としてはそこはもっと見たかったかなあ。