1938年 忠臣蔵 天の巻・地の巻

4.0
阪東妻三郎  102 分  映画

「天の巻」が刃傷事件から大評定シーン、「地の巻」が討ち入りまでと、浅野内匠頭メインと大石内蔵助メインで分かれている作品。当時のスタァの一人二役 が目立つ。浅野内匠頭と立花左近が片岡千恵蔵!脇坂淡路守と清水一学が嵐寛寿郎!原惣右衛門と小林平八郎が月形龍之介!現存しているのは総集編のため確認 は難しいけど、他にもたくさん一人二役の方がいらっしゃる。 特に「天の巻」は非常にテンポがよく、刃傷までの定番を網羅しつつも必要最低限の場面のみ撮っていて、サクサク進む。

松の廊下どころか「東下り」の本陣の廊下まで移動撮影しており、セットがすごい。松の廊下に力を入れる制作会社は見るけど、宿の廊下まであんなに長く 作っているのは珍しいかもしれない。宿の部屋も見えるので客人も沢山映っている。この「東下り」での、偽物の証拠を押し付けられてからの片岡千恵蔵の目の 動きが途轍もなくカッコイイ。 そば屋集合のシーンは音楽が愉快で楽しい。下駄や合羽が増えていく様子がワクワクする。「南部坂雪の別れ」の後半から交互に見せられる。血判状が畳に転がり四十七人の名前 から討ち入り装束に着替えた四十七人の顔に切り替わっていく。いい!

そして討ち入りシーン。風の音が聞こえるほど猛烈に吹雪いている(笑)気付いたら討ち入り途中で止んでいるけど。吉良方の慌て具合も丁寧で、走りながら 帯を巻いたり、袴姿に早着替えしたりと、アイドルのライブの舞台裏を楽しませていただいた気分(?)。

早口役者が多くて自信は無いけど、多分、「天の巻」から一生懸命働いている家臣の中に近松さんいるね・・・?神崎さんとセットになって、結構バタバタ動 き回るあの家臣。う~、字幕欲しい!笑