2020年 忠臣蔵討入・る祭

3.0
舞台俳優さん  140分  演劇

大石内蔵助・寺坂吉右衛門がメインとなる忠臣蔵。演劇らしいけどかなり大胆で忠臣蔵離れした改変忠臣蔵。キャスト発表の時に冨森さんがいたのが珍しくてビックリしたけど、喜世も出すとのことで御浜御殿綱豊卿意識かなと思ったらやっぱりここは兄妹設定だった。実は徳川家宣が大きく関わっているため、女性キャラは敢えて珍しく喜世にして、ついでに兄設定のある冨森さんも出そうという流れだったのかな。喜世が礒貝くんのことを好いてる設定が「忠臣蔵の恋(原作:四十八人目の忠臣)」ぽかった。色々な作品のパロや時事ネタが盛りだくさんでオンライン配信大丈夫ですかと不安になった。2011年は仁ネタたっぷりだったけれど、今年はGo To トラベルに香水、鬼滅の刃さらには半沢直樹と話題になったものを漏れなく取り入れていた。

寺坂さんメインということでどんな寺坂さんかと思ったら、寺坂という名を借りただけの実は中身は寺坂ではないというあまり好きではない設定の寺坂さんだった。つまりは寺坂さん=徳川家宣。こういうのは彼にピッタリで扱いやすいし面白くさせるための設定としてたまにあるけど、今回は寺坂さんは寺坂さんとして別に用意していいんじゃないかなあ、、、と思った。寺坂さんの中身が徳川家の人間というだけあって、幕府側の権力闘争が絡むし普通の忠臣蔵ではなかった。最終的に四十七士が狙ったのは綱吉公だしね。そりゃあり得ねえわ!というトンデモ設定も見受けられるけど最終的に吉良さんが綱吉公を刺し殺すのは結構好きだった(冷静に考えると本当にトンデモ設定)。後半戦があまりきれいにまとまっていないように感じてしまったかなあ。多分忠臣蔵要素が徐々に減っていってしまったせいだろうなあ…。色々笑えたところはあったけど(^o^)。そして見せられたのが近松門左衛門の脚本というオチ。近松門左衛門という名前が一度も出てこないのにちょいちょい歌って割り込んでくる人間が近松門左衛門と分かるのは衣装に「近」の字が入っているから(笑)。可愛いお衣装でした。この劇団は天皇と門左衛門を出すのが好きね。門左とかただ歌ってただけだったよ