1979年 女たちの忠臣蔵

5.0
池内淳子  170分  TVドラマ

日曜劇場史上最高視聴率を記録した視聴率オバケ作品(42.8%)。時代劇の女特有の「戦は嫌でございます」系があまり好きではなく、タイトルだけでは惹かれなかったが、見てみるとこれは大変面白い。

オリジナル部分が非常に多いのだが、ベースはしっかり「忠臣蔵」でうまく物語が進んでいく。この作品の一番良いところはテンポよく進んでいき「飽き」時間がない部分。普段取り扱われないような赤穂浪士も女絡みでしっかり出てきて、赤穂浪士といえど元禄を生きる一人の人間ということを認識させられる涙涙の物語。

「南部坂雪の別れ」を意識した場面では、従来の忠臣蔵とは異なり瑤泉院が「討ち入りはよしなさい」と言っており、大胆な変更だが「女」を意識した忠臣蔵だということが伝わる。個人的に泣いたシーンは十次郎の妻が殺されて仲間の女たちが自分たちの綺麗な着物で顔をきれいにしてあげるシーンや、塀を挟んで雪の中、岡野と女が鼓を打ち合うシーン。史実で夫の後を追った小野寺丹さんのことをナレーションする終わり方で、これはこれで味がある。

 

公開作品名
1979年女たちの忠臣蔵
1987年忠臣蔵・女たち・愛
1988年忠臣蔵・いのちの刻
石井ふく子プロデュース