1991年 大石内蔵助 冬の決戦

4.0
平幹二朗  180分  TVドラマ

静かで地味な忠臣蔵。サイドストーリーも主税くんと、潮田・ゆう夫妻の大石ファミリー中心の物語。吉良さんがとてもやさしそうで、吉田忠左衛門さんを演じることもできそうなほど穏やかだった。何故浅野内匠頭に斬り付けられたのかもずっと理解できず、討ち入りされる直前にふと目覚めて「そうだ、あの言葉が…」と悟った。でも悟った時には遅かりし由良之助。この嫌がらせ行為を全く見せなかった吉良さんだけにスッキリしない地味な忠臣蔵になった。おまけに、元禄武士らしい大野さんも再登場させて生きる道が違った大石さんとお話するものだから、余計に何が正解だったかわからない、「誰も幸せにならない悲劇」ということが際立っている。

加えて、大石さんの討ち入り直前の潜伏場所は小山屋という公事宿だったから多くの忠臣蔵では、一応キレイな場所にしか内蔵助を配置しないけれど、この作品は江戸では古い長屋のような場所にいたからもっと地味な人間に見えた。討ち入り衣装もよくある揃いの陣羽織ではなく、みなそれぞれ地味な火事装束のような出で立ちで、全体的に実際の事件に近い作りを目指したのかしらと思った。

主税くんの見た目が幼すぎてバグって見えた。