黒川彌太郎 81分 映画
突然「高田馬場の決闘」の決闘シーンから始まり、決闘までの経緯は一切描かれない。その分討ち入りまでを見せてくれる。中山姓までの安兵衛は強いだけが取り柄の飲んだくれで、堀部姓を名乗るようになってからは武士らしい生き方をすることが多い。けれどもこの作品は堀部姓になっても自分勝手で長屋の連中と仲良くする。婚礼の儀に遅刻して来て、婿入り前から嫁に恥をかかせる。その後の安兵衛の言動に責任を感じて弥兵衛さんも切腹しようとする有様。ついに心を入れ替え本当の「堀部安兵衛」になってからシリアス展開になり、「第二部」感が出てくる。刃傷事件をかなり端折って、とにかく安兵衛中心に物語が進められる。岡野の絵図面物語を挟み、仲間想いの安兵衛像なんかも入れられている。