1971年 修羅

3.0
中村嘉葎雄  134分  映画

鶴屋南北の「盟三五大切」を基に作られたお話。というより少しアレンジを加えつつも、原作を丁寧に映画にした感じ。原作の狂いっぷりを丁寧に見せてくれる。白黒効果でホラーでグロテスクな雰囲気が出ていてリアル。演出がちょっと独特で、物語以外でも面白さを発見できる。三五郎の悪友たちが殺されるシーンはスローにしたりしていて、見応えがあった。樽から出てくる三五郎の場面は注目してほしかったのか、別角度から複数回にわたって見せられて、ちょっと笑ってしまった(笑う所ではない)。

討ち入りには行かない設定が原作とは異なっており、源五兵衛の本来の名前も「不破数右衛門」ではなく、架空の人物にされている。討ち入り直行が無いから、季節も真夏の夜っぽくて四谷怪談の後日談らしさが出てる。